- お米を食べたあと、なんだか胃がもたれる。
- お米を食べたあと、やたら眠い。なんだか調子が悪い。
……こんなふうに感じたことがある方、いらっしゃいませんか?
私は胃腸が弱めなので、お米を食べたあとの胃もたれは少し気になっていました。
また、低血糖症(※)を疑っている私は、白米の血糖値上昇についても気がかりでした。
(※食後や空腹時の倦怠感、不安感、パニックなどの症状。詳細は「低血糖症とは?症状や原因、改善方法は?」という記事でも書いています)
そこで調べてみたところ、【高アミロース米】という消化に優しいお米の存在を知りました。
今回の記事では、お米や高アミロース米の種類についてまとめています。
高アミロース米と低アミロース米
お米のデンプンには【アミロース】と【アミロペクチン】という2種類があります。
アミロースの割合が低いお米は粘りが強く、モチモチした食感。また、アミロペクチンの割合は高いため、その作用で冷めてもあまり味が低下しないことが特徴です。
一方で、アミロースの割合が多いお米はサラサラ。良く言えばサッパリ、悪く言えばパサパサなお米になります。
日本ではモチモチしたお米が好まれてますよね。
そのため、アミロースをあまり含まない品種のお米が多く流通しており、高アミロース米はあまり出回っていません。
アミロース含有量 | 代表的な品種 | |
低アミロース米 | 5~13% | ミルキークイーン、ゆめぴりか、だて正夢など |
通常のお米 | 17~23% | コシヒカリ、あきたこまちなど |
高アミロース米 | 25%~ | ゆきひかり、ホシユタカ、ヒノヒカリなど |
参考:Wikipedia
ちなみに、モチモチした餅米はアミロペクチン100%。
日本と同じくお米が主食の国であるタイのお米(タイ米/インディカ米)のアミロース含有量は、25~40%です。
サラサラして焼飯に合いやすいタイ米と、おにぎりやお寿司など冷めても美味しいお米が好まれる日本の違い、でしょうか。
高アミロース米
ところが、最近【高アミロース米】に注目が集まっています。
その理由は、高アミロース米にはこんな特徴があるから。
- 消化がゆっくりなので、血糖値が上がりくい
- 胃腸に負担がかかりにくい
- アレルギーになりにくい
コシヒカリなどモッチリした食感の品種に多く含まれるアミロペクチンの分子は、網の目のように複雑で強く繋がった構造をしています。これがお米に含まれるたんぱく質を一部ですが強く包んでいます。
このタンパク質を強く包んでしまう構造のアミロペクチンを、分解する酵素の弱い人が現代社会にはおられます。このでんぷんアミロペクチンを分解できないと、それに包まれているたんぱく質も分解出来ず、身体からすれば異常なタンパク質(細菌やウイルスなど)と間違って判断され、アレルギー反応を起こすことが分かってきました。
一方、アミロースの構造は単純なラセン状で分解酵素の弱い人でも容易に分解できます。よって、包まれていたたんぱく質も分解されアミノ酸として身体に取り入れられるので、アレルギー反応が起こらない理由になります。
引用元:中道農園
最近、「お米アレルギー」の人が増えているという話を耳にしたことがあります。
そういう方は、お米の成分を分解する酵素が少ない人なのですね…。
また、こんな話もあります。
前項で、「タイ米(インディカ米)のアミロース含有量は、25~40%」と書きました。
普段タイ米を食べている人が日本に来て日本のお米を食べたとき、「日本の米はモチモチして胃がもたれる」と言っていたのだそうです。
さらに、アミロースが多く含まれているお米は糖化が進みにくいため、消化吸収がゆっくりになり、血糖値が上がりにくいと言われます。
アレルギーや胃腸、血糖値に問題を抱える現代人にとって、高アミロース米はピッタリなのかもしれません。
高アミロース米の種類
私も高アミロース米を食べてみたい!と思ったものの、あまり出回っていないというだけあって、品種を調べるのが大変でした。
私が調べた範囲だと、このような品種が高アミロース米なのだそうです。
- あきたぱらり
- 越のかおり
- 北瑞穂(きたみずほ)
- ふくのこ
- ホシニシキ
- ホシユタカ
- ゆきひかり
- 夢十色(ゆめといろ)
おそらく種類はもっとあると思います。アレルギーのお子さんでも食べられるように、農家さんが独自に作っている品種とか。
ササニシキは高アミロース米?
私の近所のスーパーでは、比較的アミロースの含有量が多い【ササニシキ】が売られており、ササニシキをたまに購入しています。
できれば無農薬が良いので、無農薬を求めるときはネットで注文。
(こちらの京ノ米職人さん、分つき米や玄米もOKだし、翌日配送だし、真空パックもOKだし、神です)
ただ、ササニシキのアミロースの含有量は普段馴染みのあるコシヒカリよりは少し多い程度。
- ササンニシキ:約20%
- コシヒカリ:約15%
ササニシキは高アミロース米だとして紹介されているページもあったので、定義はあいまいなのかもしれません…。
ともあれ、もう少しアミロース含有量が多いものを試してみようと思って注目したのが、【ゆきひかり】です。
腸内環境にも良いゆきひかり
ゆきひかりは「血糖値を上げにくい」「アレルギーの人でも食べられる(可能性がある)」という高アミロース米の特徴を持ちつつ、「腸内の悪玉菌を減らす効果がある」という研究があるのだそう。
※平成20年の北大大学院農学研究院調べ。参考元:中川米穀株式会社
おお!それはすごく良い!!と思って、早速ネットで注文してみました。
特別栽培米は、農薬や化学肥料が50%以下に抑えられたお米。
本当は無農薬がベストなのですが、毎回無農薬米を買うと家計が圧迫するので…
ゆきひかりを食べてみたのですが、高アミロース米=多少パサパサ?と思っていたら大違い、普通に美味しかったです。
商品ページには「アッサリしたお米です」とあったのですが、新米だったためか、お米にツヤがあるというか、むしろしっとりした感じ。
(舌に自信はありません(苦笑))
胃もたれしないかどうか、血糖値が上がりにくいかどうかは、正直なところなんともいません…。お米以外の要因もあると思うので、「胃もたれまったくしない!」「食後眠くならない!」とは断言できません。
ただ、以前モチモチの品種のお米(ミルキークイーン)を何も知らず食べたときより、お腹がラクというか。
胃腸がずーんと重い感じがない気がします。
毎日食べるにはやはり家計が気になりますが、悪玉菌にも効果があるというので、取り入れられる範囲で食べていきたいと思います。
タイ米(ジャスミンライス)はさらにお腹が軽い!?
以前「タイの人はお米で胃もたれしない」という話を聞いてから、タイ米=ジャスミンライスを試してみたことがあります。
ジャスミンライスは香りがありさらっとパラパラしているため、 ガパオライスやカオマンガイ、カレーなど東南アジアでよく食べられる料理に合うのだとか。
ジャスミンライスはスーパーのアジアコーナーや、カルディコーヒーファーム、成城石井などで売られていますが、少々お高め。
また、少々クセもあります。
まずは市販で売られている少量から始めて、食べられそうだったら、インターネットで容量が大きいものを買うのがオススメです。
ジャスミンライスは、ササニシキやゆきひかりなど、日本の高アミロース米よりサッパリしています。
ふわっとエスニックの香りもします(私は、嫌な感じはありません)。
日本のお米大好き!な人が食べると合わない可能性があるので、少ない量から試したほうが無難です。
ただ、食後のアッサリ感は、ゆきひかりよりはっきり感じました。
お米自体がサッパリしているから、というのもあるのかもしれません。
心なしかお腹も軽い感じがしました。
ジャスミンライスも比較的高価なことと、クセがあるため毎日は続けられませんが、カレーや焼飯、リゾットなどを作るときは積極的に取り入れてみようかなあと思いました。
まとめ
食後の眠気については、何を食べても眠くなったりだるくなったりすることもあれば、何を食べても元気なときもあるので、明確には図れませんが…。
胃腸の負担については、アミロースの含有量が多い品種のほうが軽いように感じました。
▶食後、お腹が軽かった順(体感)
- ジャスミンライス
- ゆきひかり(高アミロース米)
- コシヒカリ(普通のお米)
- ミルキークイーン(低アミロース米)
お米、なんとなくもたれるわ~と感じている方、アレルギーの方は、お米の種類を変えてみてはいかがでしょうか。
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