先日、『脳からストレスを消す技術~セロトニンと涙が人生を変える~』という本を読みました。
タイトルに惹かれて衝動的に読んだのですが、「ストレスを消す」ということについて科学的にわかりやすく書かれていてとても参考になりました。
ブログでは、2回に分けて「ストレスについて」と「ストレスを消す方法」をまとめたいと思います。
今回の内容はこちら。
- ストレスが病気になる流れ
- うつ病と間違いやすい病気、副腎疲労
- 脳とセロトニンの役割
手っ取り早くセロトニンを増やす方法が知りたい方は、次の記事(ストレスを消す方法~セロトニンを増やすには?)をどうぞ~。
ストレスの仕組み
「ストレス」というと、人間関係の悩みや仕事の不満、将来への不安などの「精神的なストレス」を想像する方が多いかもしれません。
ですが、怪我、病気、身体の炎症、アレルギー、アトピー、PM2.0などなど、「身体的」な要因もストレスになるんです。
(ちなみに私は後者の「身体の炎症」がきっかけで、現在体調を崩しています…(後述))
では、そのストレスが身体にどんな影響を与えているのか。わかりやすく図にまとめてみました。
本で解説していた仕組みを簡略化し、少し変更して図に起こしました。
まず、ストレスは脳に影響します。
そこからの流れは2パターン。
ひとつはセロトニン神経機能へのダメージです。
ストレスによって「セロトニン神経の機能」が衰えてしまうと、リラックスホルモンであるセロトニンが正常に分泌されにくくなり、うつ病やパニック障害など精神的な病気の原因になります。
もうひとつが、【副腎】という臓器を刺激すること。
副腎は腎臓の上にある小さな臓器で、【コルチゾール】というストレスに対抗するホルモンを分泌してくれています。
ですが、ストレスが過剰になるとこの【コルチゾール】が過剰に分泌されてしまいます。
そうなると副腎が疲弊してしまい、コルチゾールが正常に分泌されにくくなってしまうんです。
私が悩んでいるのがこの【副腎疲労】という病気です。
→詳細)副腎疲労とは?
『脳からストレスを消す技術』で解説されていたのは、「身体的ストレスが副腎を刺激する」ということでしたが、実際には精神的ストレスも身体的ストレスもどちらも副腎を疲弊させる要因です(副腎疲労専門医談)。
うつ病と副腎疲労
少し余談ですが…。
うつ病と副腎疲労は間違いやすい病気です。
うつ病として治療に当たっていたけれど実際は副腎疲労だった、ということもしばしばあるそう。
本当は副腎疲労なのに抗うつ薬を飲んでも病気が治らない理由は、病気が起こっている原因の違いですね。
- うつ病はセロトニン神経の異常
- 副腎疲労は副腎皮質の異常
です。
「抗うつ薬を飲んでいるのにうつが良くならない」という方は、一度副腎疲労のチェックを受けてみると良いかもしれません(副腎疲労の記事でも記載しています)。
副腎疲労は、どちらかというと「身体がだるい」「朝起きられない」「ホルモンバランスの乱れ」など身体的な症状が強いのが特徴です。
前頭葉・セロトニンの役割
副腎疲労の話は余談になってしまいましたが…。
今回扱うのは、副腎皮質ではなくセロトニン神経をどう鍛えるか、ということです。
(副腎の機能を改善させる方法は副腎疲労の記事にて…)
この本の著書であり医学部の教授でもある有田さんによると、本来、人間にはストレスをコントロールする機能が備わっているそうです。
ですが、核家族化やパソコン・スマホ・SNS発展などによる人間関係の希薄化、生活習慣の乱れ、などによってその機能が衰えてしまった人が増えたのだとか。
なぜそれらの原因によってストレス耐性が低下してしまうのかというと、【前頭葉】が鍵を握っています。
前頭葉は、脳の前方にあります(図はざっくりの位置です)。
この前頭葉の働きによって、ストレスを感じたり、逆にストレスを解消したりすることができます。
前頭葉は別名【共感脳】とも呼ばれ、コミュニケーションに深く関わる部分でもあります。
つまり、コミュニケーションが希薄になった現代では、前頭葉の働きが弱くなってしまった人が多くなったということ。
現に、うつ病の方や引きこもりの方など社会生活ができなくなってしまった人はこの前頭葉が衰えてしまっているそうです。
また、前頭葉はセロトニンの他にもノルアドレナリンとドーパミンの分泌・調整にも関わっており、非常に大事な部位ということがわかります。
つまり…。
うつ病の原因はセロトニン不足の他、ノルアドレナリンの過剰分泌も挙げられるそうです。
セロトニンはノルアドレナリン・ドーパミンを調整してくれる役目もあるため、セロトニンを増やすことが病気を改善する近道になりそうですね。
(ただし、遺伝子の問題から先天的にうつ病になってしまっている方は、一概に「セロトニン不足」がうつ病の原因だと言えないそうです)
ちなみに、抗うつ薬(SSRI)はセロトニン濃度を一時的に濃くする作用があるだけで、根本的にセロトニンを増やしてくれる役目はないそうです。
うつ病を根っこから良くしたいのであれば、セロトニン神経の機能を回復させたほうが確実というのは納得です。
もちろんうつ病がひどいときに薬を飲み、ある程度改善させるのも必要だと思います。
ただ、「抗うつ薬を長期服用しているのに良くならない」「うつの再発を繰り返している」という場合には、セロトニン神経を鍛える治療法を取り入れてみても良いかもしれません。
私は抗うつ剤でうつ病が改善した経験がありません…(汗)
→詳細)メンタル不調の記事一覧
まとめ
ここまでストレスが体調に及ぼす影響や、うつ病・副腎疲労といった病気のことをご紹介しました。
ではそのストレスを消すにはどうしたらいいのか?ということは、次の記事で記載します(^^)
今回読んだ本はこちら。
- 『脳からストレスを消す技術~セロトニンと涙が人生を変える~』(著者:有田秀穂)
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